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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~
第4章 心のゆくえ
「生憎と記憶にはないのだ。あまり目立たぬ娘だったのだな?」
「心優しく、けして驕ることのない者にございます。たとえ殿下のご寵愛をお受けしたとしても、驕ることなく影から殿下をお支えすることのできる女人だと存じます」
「ホウ、下の者に厳しいそなたには珍しいことだな。柳尚宮がそこまで手放しで賞めるとは、よほどの女官と見ゆる。それゆえ、異例の抜擢で孫尚宮を主上付きの尚宮に推したというわけか」
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