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第4章 心のゆくえ

己れの才覚でのし上がってゆく尚宮と、女であることを武器に勝ち取ってゆく主上のご寵愛。どちらが良い悪いの問題ではないが、血の涙を流すのは女であることしか頼りにできぬ側室の方であろうよ」
　先王には劉王妃の他に、数人の側室がいた。側室との間になした御子も十数人いたが、王子の中でただ一人健やかに育ったのが幸運にも劉王妃の生んだ永宗であった。ちなみに、劉王妃は永宗一人しか産んでいない。