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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~
第4章 心のゆくえ
だが、それだけは避けねばならない。
長い王朝の歴史を紐解いても、役付きの尚宮が王の側室になったなどという事実はどこにもない。二人の仲が公になれば、史上最大のスキャンダルとして面白おかしく取り沙汰されるばかりか、英邁な王の名に傷がつく。
明香は、王に燕山君のように後世に名を残す暗君になっては欲しくない。むしろ、どうせ名を残すなら、この国を更に良きものにした中興の祖、賢君として永宗の名が語り継がれたら良いと思う。