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第4章 心のゆくえ

「大妃さま、畏れながら申し上げます。私は主上のお情けを賜ってなどおりません。それは、きっと何かの間違いにございます。もう一度よくお調べに―」
　懸命に訴える明香に、大妃が柳眉をつり上げた。
「黙れ！　そなたは、この私が嘘を申していると言うのか」
「そのようなことは申し上げてはおりません。ただ、大妃さまが仰せになるような事実はないと、そう申し上げているだけにございます」