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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~
第4章 心のゆくえ
王は、そんな彼女を穏やかな瞳で見つめている。いつか明香を力ずくで犯そうとしたときの王とは別人のように落ち着いていた。
王が謝罪の言葉を嫌うのは知っていたが、この場合、何と言えば良いのか判らない。
「母上(オバママ)が酷い仕打ちをしたと聞いた。許せ。もしそなたがどうしても出てゆきたいと申すのであれば、予がそれを認めよう。予が許せば、たとえ母上とて止めることはできぬ。今後、そなた以外の女を娶るつもりはないが、たとえ子はできずとも、王族の誰かに王位を譲ることはできる」
王が謝罪の言葉を嫌うのは知っていたが、この場合、何と言えば良いのか判らない。
「母上(オバママ)が酷い仕打ちをしたと聞いた。許せ。もしそなたがどうしても出てゆきたいと申すのであれば、予がそれを認めよう。予が許せば、たとえ母上とて止めることはできぬ。今後、そなた以外の女を娶るつもりはないが、たとえ子はできずとも、王族の誰かに王位を譲ることはできる」