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愛してるなんていらない
第14章 迷走
肩で息をしていると扉を開く音がした。
(や、やばい..!)
すぐにバスタオルを引き上げ、うつぶせになる。
余韻が残っていて息がなかなか整わない。
少ししてギシッ..とスプリングが軋んで、彼がベッドに腰掛けた。
「咲ちゃん..寝てるの..」
「ううん..」
私が答えて彼を見上げると、目があって微笑む。
「シャワー浴びておいで。俺、そのあと帰るから。」
「....うん。」
(もう..帰るんだ..)
私はベッドから下りてシャワーに向かった。
浴室は彼の匂いでいっぱいだ。
それなのに、幸せなはずなのに..
頭からお湯を被りながら、何だか悲しくなった。