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愛してるなんていらない
第20章 愛欲
創はあぁ、と言って少し笑った。

「ばーか。しんどいわけないだろ?」

そして髪をクシャッとした。


「咲は、寂しがり屋だもんな。」

そういって頭に頬をつける。

創の暖かさが心を溶かしていく。

「..私さ...創がいなくなって寂しかった..」

「..」

「当たり前だと思ってたものが急に消えるの...まただって..」

「..」

創が抱きしめる力を強くする。

「ひどいこといっぱいした。創の気持ち気付きながら、向き合いたくなかったから。でも、創がいないとだめ....こんなの..怖いよ。ねぇ、もう離れないで。ずっと一緒に..」

(なにをいってるんだろう..)

そう思いながらも止められず、私が言うと、呆れたようにため息をついた。

(勝手なことを..)

否定されることが怖くなって、急いでなかったことにしようとした。

「..ごめ..なんでもな..」

「ばか。当たり前だろ。」

え、っと見上げると、創は優しく私を見つめていた。
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