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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~
第3章 第二話~梨羅の姫君~
梨羅の花は百合と見紛うほどの美しい外見と得も言われぬ芳香が特徴的である。今もひそやかに開く白い花からは独特の芳香が漂っていた。
「不思議なものでございますね。リーラの花は元々は砂漠の植物で、冬の寒さが殊の外厳しいこの国にも滅多と根付かぬといわれていたのに、こんなに見事に大きく生長し、枝葉を繁らせて。この国で仙華様が亡くなられた後もこうして、はるかな刻(とき)の流れの中、変わることなく五十年に一度花を咲かせ続けているのですから」
「不思議なものでございますね。リーラの花は元々は砂漠の植物で、冬の寒さが殊の外厳しいこの国にも滅多と根付かぬといわれていたのに、こんなに見事に大きく生長し、枝葉を繁らせて。この国で仙華様が亡くなられた後もこうして、はるかな刻(とき)の流れの中、変わることなく五十年に一度花を咲かせ続けているのですから」