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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~
第3章 第二話~梨羅の姫君~
この美しき仙界の王を満足させる為には、今ひとつの話をせばならない。仙王が妖艶な笑みを浮かべた。
「それでは、三つめの話を聞かせて貰おうか」
まるで悪戯をしかける子どものような邪気のない声音であった。
「かしこまりました」
母のためにも、ここで諦めてはならない。美芳はうっすらと汗ばんだ右の手のひらをそっと左手で握りしめる。
「それでは次のお話をさせて頂きます」
美芳の口許を仙王はじっと見守った。