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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~
第1章 序章

理知的な光を宿した瞳は冴え冴えとした星の輝きを放つようだ。少女の名は美芳(メイ・ファン) という。幼い中に父を失い、病がちな母親と二人きりで暮らしてきた。一年前からふとした拍子に風邪をこじらせてしまった母親が寝つき、病状は悪化の一途を辿っていた。貧しい暮らしでは医者にもろくに診せることができず、美芳は昆論山脈の奥深くにあるという秘薬―即ち仙王の住む水晶宮(すいしょうきゅう)の庭に生えるという幻の薬草宝寿草(ほうじゅそう)を採りに出かけてきたのだ。

