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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~
第2章 第一話~砂漠の花―ミイラが語る愛―~

「お頭(かしら)、このままで良いんですかい」
出立寸前、手下の一人が彼の耳許で短く囁いたが、彼は無言で首を振った。その表情は目深に被った布に隠れて窺い知れない。
陽が昇ると共に、旅の隊商(キャラバン)にやつした盗賊たちは駱駝を駆りオアシスを後にした。
後に残されたのは、数人の男たちに陵辱の限りを尽くされ慰み者にされた少年とリーラの樹に縛りつけられた猛訓のみであった。
何を思ったのか、砂漠の鷹は立ち去り際、猛訓の縛めを解いていった。
出立寸前、手下の一人が彼の耳許で短く囁いたが、彼は無言で首を振った。その表情は目深に被った布に隠れて窺い知れない。
陽が昇ると共に、旅の隊商(キャラバン)にやつした盗賊たちは駱駝を駆りオアシスを後にした。
後に残されたのは、数人の男たちに陵辱の限りを尽くされ慰み者にされた少年とリーラの樹に縛りつけられた猛訓のみであった。
何を思ったのか、砂漠の鷹は立ち去り際、猛訓の縛めを解いていった。

