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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~
第3章 第二話~梨羅の姫君~
「長の船旅に続き、儀式の数々はさぞ御身にはこたえたであろう」
ふいに頭上から温かな声が降ってきて、桃華は思わず伏せていた顔を上げた。
聞いていた歳よりは若々しい、精悍な風貌の男が笑顔で自分を見下ろしていた。超といえば十代以上も続いた王朝で、大国の皇帝は玉座に座っているだけの優男なのかと思っていたけれど、眼前の男は上背もあり、まるで武人のように逞しかった。やはり、桃華と同じような白一色の寝間着姿である。