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想い人
第8章 【続】第三章・勘違いの想い人

フッと、隣から小さな笑い声が漏れた。
「ごめんね、ビックリしたでしょ?」
美空の母親がクスクスと笑いながら話し出す。
「私と旦那はさ、高校の同級生同士なんだけど、卒業する時には美空がお腹にいてさ、19で産んだの」
「……って事は、まだ30代⁉︎ 」
見た目に若いとは思ってたけど、マジで若かったんだ‼︎
「進学を諦めて私と美空のために働いてくれて……代わりに美空を溺愛」
溺愛…確かに半端ない溺愛ぶり。
かなりの強敵だな……。
美空とお母さんが会わせたがらなかった訳が分かった。
「でき婚をとやかく言える立場じゃないけどさ……透也くんとなら、そうなっても反対はしないよ」
母親の言葉に、順番はキチンと守れ‼︎ と叫ぶ美空の父親。
お前が言うな!と美空の母親がチョップを喰らわせる。
「いや、透也くん見てればわかるからさ。美空が幸せになれない相手なら、勿論許さないから」
穏やかな笑顔でそう言う母親に、美空の父親も俺をチラリと見て目を逸らす。
結婚の挨拶に来たわけじゃないけど、それを考えてない訳じゃない。
近い将来、美空を溺愛するこの父親と対峙する事になるだろう。
「ん!」
俺とは目も合わせないまま、だけど美空の父親は俺に空のグラスを差し出してくれる。
そこに美空が嬉しそうにビールを注げば、やっぱりそっぽを向いたまま、美空の父親がグラスをカチンと合わせてきた。
─────これって…
少しは認めてもらえたって事…なのかな?
「ごめんね、ビックリしたでしょ?」
美空の母親がクスクスと笑いながら話し出す。
「私と旦那はさ、高校の同級生同士なんだけど、卒業する時には美空がお腹にいてさ、19で産んだの」
「……って事は、まだ30代⁉︎ 」
見た目に若いとは思ってたけど、マジで若かったんだ‼︎
「進学を諦めて私と美空のために働いてくれて……代わりに美空を溺愛」
溺愛…確かに半端ない溺愛ぶり。
かなりの強敵だな……。
美空とお母さんが会わせたがらなかった訳が分かった。
「でき婚をとやかく言える立場じゃないけどさ……透也くんとなら、そうなっても反対はしないよ」
母親の言葉に、順番はキチンと守れ‼︎ と叫ぶ美空の父親。
お前が言うな!と美空の母親がチョップを喰らわせる。
「いや、透也くん見てればわかるからさ。美空が幸せになれない相手なら、勿論許さないから」
穏やかな笑顔でそう言う母親に、美空の父親も俺をチラリと見て目を逸らす。
結婚の挨拶に来たわけじゃないけど、それを考えてない訳じゃない。
近い将来、美空を溺愛するこの父親と対峙する事になるだろう。
「ん!」
俺とは目も合わせないまま、だけど美空の父親は俺に空のグラスを差し出してくれる。
そこに美空が嬉しそうにビールを注げば、やっぱりそっぽを向いたまま、美空の父親がグラスをカチンと合わせてきた。
─────これって…
少しは認めてもらえたって事…なのかな?

