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想い人
第3章 それぞれの想い人

定時少し前、蕾さんの両親が会社へ来たと噂になっていた。
「え⁉︎ 」
透也から聞かされた言葉に、私は短くそう言っただけで固まる。
「美空、本当にごめん! 絶対埋め合わせするから!」
透也はそう言って立ち去ろうとする。
”蕾さんの両親と食事をする”
透也はそう言った。
─────なんで?
なんで彼女でもない人の両親と食事をするの?
なんで私の約束はキャンセルなの?
「なんで? 何で蕾さん優先するの⁈ 」
透也の腕を掴み、声を荒げていた?
「ごめんっ、ホントごめん‼︎ 」
透也は困ったように振り返り、両手を顔の前で合わせて何度も謝る。
わかんない……
透也の気持ちがわかんないよ……。
楽しみにしてたのに、私より蕾さんを優先されて笑って”いいよ”なんて言えない。
ポロポロと涙が溢れ出す
「え? 美空っ? ごめんって…美空?」
透也の困った顔。
わかってるよ、泣くのはズルイ。
でも、悔しくて悔しくて涙が止まらないの。
「透也くん!」
透也を呼ぶ蕾さんの声。
「あ、今行く」
ごめんなって頭を撫でて、透也は行ってしまう。
涙が止まらない。
透也の中の優先順位に、透也の本当の気持ちが反映されてるのだと、私は思い知らされた。
「え⁉︎ 」
透也から聞かされた言葉に、私は短くそう言っただけで固まる。
「美空、本当にごめん! 絶対埋め合わせするから!」
透也はそう言って立ち去ろうとする。
”蕾さんの両親と食事をする”
透也はそう言った。
─────なんで?
なんで彼女でもない人の両親と食事をするの?
なんで私の約束はキャンセルなの?
「なんで? 何で蕾さん優先するの⁈ 」
透也の腕を掴み、声を荒げていた?
「ごめんっ、ホントごめん‼︎ 」
透也は困ったように振り返り、両手を顔の前で合わせて何度も謝る。
わかんない……
透也の気持ちがわかんないよ……。
楽しみにしてたのに、私より蕾さんを優先されて笑って”いいよ”なんて言えない。
ポロポロと涙が溢れ出す
「え? 美空っ? ごめんって…美空?」
透也の困った顔。
わかってるよ、泣くのはズルイ。
でも、悔しくて悔しくて涙が止まらないの。
「透也くん!」
透也を呼ぶ蕾さんの声。
「あ、今行く」
ごめんなって頭を撫でて、透也は行ってしまう。
涙が止まらない。
透也の中の優先順位に、透也の本当の気持ちが反映されてるのだと、私は思い知らされた。

