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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第3章  春の夢 其の参
 それでも、慎之助は何も言わず、お須万に付き添った。慎之助が倒れたのは、寒い冬の夜にお須万と共に町を歩いて風邪を引いたのがきっかけであった。
「―」
 清七は言葉を失った。
 お須万の話から、今初めて明らかになった真実があった。
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