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第3章 　春の夢　其の参

　二人の間に沈黙が落ちた。
「そりゃあ、そうだろうな。その身体じゃア、夜歩きなんぞできっこねえ」
　清七が低い声で言った。
　刹那、お須万がガバと身を起こす。
「いいえ！　今の私はもう以前の私とは違います。もう良人や伜を失って哀しみにばかり暮れていた頃の私ではありません。今は―強く生きたいと思っています。生まれ変わったつもりで、もう一度やり直してみようと心から願っているのです」