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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第5章 二つめの恋花 恋紫陽花 其の壱
―それは単なる俺の夢さ。俺はな、あいつが幸せになれるのなら、その道を選んでやりてえ。あいつにとっていちばん良い道を選ばせてやりてえんだよ。
 兵助にしろ、お民にしろ、兵太のゆく末に幸多かれと心から願っているのだ。そして、息子にかけていた期待もその分、大きかったといえよう。
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