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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第5章 二つめの恋花 恋紫陽花 其の壱
実際、近くに捨てられていた捨て子の面倒を里親が見つかるまで見てやったり、同じ長屋に住む少女が父親を失った直後、再々泊めてやったりしたし、そんな身寄りのない子どもたちの世話をすることは、お民の心の隙間を埋めてくれた。
兵太を失ってから、はや六年が経った。初めの頃は、兵助も自分もまだ若いのだから、もしかしたら兵太に代わる子を授かることができるかもしれない。そう思い、また何よりも願ったけれど、ついに子は授からなかった。
兵太を失ってから、はや六年が経った。初めの頃は、兵助も自分もまだ若いのだから、もしかしたら兵太に代わる子を授かることができるかもしれない。そう思い、また何よりも願ったけれど、ついに子は授からなかった。