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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第7章 恋紫陽花 其の参
 日は緩やかに過ぎていった。
 兵助が亡くなって、ひと月が経ち、やがて、四十九日の法要も滞りなく済んだ。
 江戸は梅雨に入り、陰鬱な曇り空が毎日、続いている。
 不思議なもので、お民は自分が予想していた以上に、新しい生活―兵助のおらぬ一人だけの生活に順応していった。
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