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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第7章 恋紫陽花 其の参
 その同じ頃、源治は徳平店のお民の家を覗いていた。だが、部屋内にお民の姿は見当たらず、源治はひと度は自分の家に戻ったものの、何故かじっとしていられず再び外に出たのである。
 長屋の前の路地裏を歩きながら、源治は懐手をして空を仰いだ。
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