この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第7章 恋紫陽花 其の参
「それとも、まさか妾奉公に出るとでも?」
続いて源治の口から紡ぎ出された言葉は、更に意表を突くものだった。
お民は茫然として、眼の前の男の顔を見つめた。
―源さんって、こんなに男前だったっけ。
と、実に場違いなことを考えながら。
お民にとって、源治はいつも〝斜向かいの大人しくて、放っておけない弟分〟だった。
弟はあくまでも弟であって、その顔立ちが男前かどうかなんて気にしたこともなかったし、また気にする必要もなかったのだ。
続いて源治の口から紡ぎ出された言葉は、更に意表を突くものだった。
お民は茫然として、眼の前の男の顔を見つめた。
―源さんって、こんなに男前だったっけ。
と、実に場違いなことを考えながら。
お民にとって、源治はいつも〝斜向かいの大人しくて、放っておけない弟分〟だった。
弟はあくまでも弟であって、その顔立ちが男前かどうかなんて気にしたこともなかったし、また気にする必要もなかったのだ。