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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第7章 恋紫陽花 其の参
 二人の間に落ちた沈黙がやけに重たくて、お民は烈しく首を振った。
「まさか、あたしはたとえ首を括ったって、妾なんかになるつもりはないよ。それに、あたしなんか、奉公に出ても、三日でお払い箱になるに決まってる。大体、大人しく座って男の気を引くなんてことができるわけがないんだからさ」
 また乾いた笑いを洩らした時、源治がつと視線を動かし、お民を見た。
「どうして、お前はいつも自分をそんな風に茶化すんだ?」
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