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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第8章 三つめの恋花 桜いかだ 其の壱
―お前が父ちゃんのことを考えて言ったことだとは、よおく判ってたんだがよ―。
 言いかけた弥助に、今度は美空がピシャリと叩きつけるように叫んだ。
―だから、もう良いって言ってるじゃない。もう止めましょ、そんな話。
 それからというもの、いつもは賑やかな夕飯の時間がまるで葬式か通夜のようになってしまった。美空はとうとう、最後までひと言も喋らず、弥助は後片付けを始めた美空に、ちょっと出てくると言って、逃げるように家を出てきたのである。
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