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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第9章 桜いかだ 其の弐
弥助は心の中でぼやいてみたものの、考えてみれば、美空も年が明ければ十三になる。早婚の当時としては、あと二、三年もすれば人の妻となってもおかしくはない年である。―そうか、もう、そんな歳になったんだな。
弥助は改めて、娘の成長に想いを馳せた。
お静が亡くなった時、美空はまだ二歳、襁褓も取れていない幼児であった。
その幼い娘がもう誰かの女房になる日も近いと思うと、腹の辺りがむず痒いような、何ともいえぬ奇妙な気持ちになる。
弥助は改めて、娘の成長に想いを馳せた。
お静が亡くなった時、美空はまだ二歳、襁褓も取れていない幼児であった。
その幼い娘がもう誰かの女房になる日も近いと思うと、腹の辺りがむず痒いような、何ともいえぬ奇妙な気持ちになる。