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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第10章 桜いかだ 其の参
 ほどなく、おれんが戻ってきた。
「ごめんなさい。お酒がもうなくなってるわ」
 おれんが慌てて立とうとするのを、弥助は止めた。
「いや、酒はもう良い。それよりも、美空にお前のことを話したんだ」
 先ほど帰ったばかりの客がいるときはできなかった話がやっとできる。
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