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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第10章 桜いかだ 其の参
 やはり、気になるのはそのことだろう。何と言っても、弥助とおれんが所帯を持てば、おれんは美空の継母になるのだから。おれんの気性であれば、新しい娘とできるだけ仲好くやってゆきたいと願っているはずだ。
―おとっつぁんがこの女だと決めた人なら、間違いはないでしょ。
 三日前の夜の美空の科白が耳奥でこだまする。
 弥助が美空の言葉をそっくりそのまま伝えると、おれんは絶句した。
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