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第10章 桜いかだ　其の参

「おれさんとうちの娘なら、きっとうまく行くよ。こんなことを言うのも何だが、おれんさんと美空はどこか似ている。二人とも、気遣いのできる―他人(ひと)の痛みを判ってやれる優しいところがある」
「そう言って頂けると、嬉しいわ。正直言うと、あたし、不安なんです。あたしは子どもを育てたこともないし、年頃の女の子の気持ちなんて判るんだろうか、もし、美空ちゃんに嫌われちまったら、どうしようって」