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第13章 山茶花～さざんか～　其の参　

　幸助といって中肉中背、どこといって目立つことのない平凡な男だが、面倒見が良いことでは定評があった。
　おともから一部始終を聞いたおつながこの幸助に話をしたところ、幸助は〝師匠のお頼みなら〟と一つ返事で引き受けてくれたという。
　ちなみに、その後で、おつなが何か礼をしなくちゃねと言うと、幸助がにじり寄り、
―礼なら、師匠、あっしとしっぽり―。
　と言いかけて、その場で平手を喰らったそうだ。