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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第13章 山茶花~さざんか~ 其の参
「話し疲れたようだ。少し眠るよ」
〝はい〟と、安平太が頷く。
襖を開けて出ていこうとした安平太に、曽太郞は眼を閉じたまま声をかけた。
「ありがとう、安平太。今も昔も、お前は私にとっていちばんの理解者であり先生だ」
「勿体ないお言葉にございます」
安平太はいつものように感情を抑えた低い声で言い、静かに出ていった。
先刻の話を特に口止めはしない。
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