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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~
第13章 山茶花~さざんか~ 其の参
おつなは何と、医者の懸かりはすべて、自分が肩代わりした。薬代に診察料も重なれば、馬鹿にはならない。千汐がそんなに親切にして貰うわけにゆかないと訴えると、おつなは笑った。
―あんたは医者なんて要らないっていうのに、あたしが勝手に連れてきたんだもの。だから、そんなことは気にしなくて良いの。
やがて、寝たり起きたりの生活をしていた千汐は床から出られなくなり、今では一日の大半を伏せって過ごしている。