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こころから
第31章 久美子15
「もう黙って……」
堪らなくなって、私は言った。
大人になってから、こんなに泣かされるなんて思ってもみなかった。
胸がいっぱいで、
これ以上直人くんから好きを注入されるとパンクしてしまうと思った。
直人くんにリードされて、私はすとんとベッドに座った。
直人くんが隣に座り、私は自然と彼にもたれ掛かる。
細く見えるのに、意外と筋肉質。
頭を直人くんの肩に預け、ねえ、と呼び掛けてみる。
自分でも驚くくらい小さくかすれた声し出なかったのに、
直人くんはちゃんと聞き逃さずに、
はい、と返事をしてくれた。