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こころから
第45章 久美子22
「ぼくたちのことを知ってるひとがいない場所で、
堂々と久美子さんと歩きたい。
手を繋いで散策して、お土産物屋とか冷やかしたりしたいです」

 むう……

「部屋に露天風呂あるみたいです。
一緒に広いお風呂入って美味しいもの食べて、
また一晩中久美子さんを抱きたいです。
一緒に朝を迎えたい」

 悔しいけど、とても魅力的な提案だった。
思わず直人くんをチラ見してしまって、
思いきり目が合って、
一瞬の隙に乗じて直人くんが攻め込んでくる。
くるりと振り向かされて、
不機嫌を装うのが難しくなるくらいべちょべちょにキスされて、
もう笑い出さずにいられない。

「ね、行きましょうね。そうしましょう」

「しょうがないわね」

 思いがけずに弾んだ声が出てしまって恥ずかしかった。
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