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こころから
第18章 直人9
落ち着かなくて、
落ち着いていられるわけもなく、
ぼくは部屋の中をうろうろしていた。
薄いドア一枚隔てて、
そこで牧原部長が裸になっていると思うと居ても立ってもいられない。
部長からのラインを受け取って以来、勃起が治まらない。
バスルームのドアの施錠が解除される音がした。
緊張はピークに達して、胸が痛くなるほど鼓動が早い。
ドアが少しだけ開いて、様子を伺っているようだ。
「坂井くん、起きてる?」
ひっそりと呼び掛けられ、
ひっくり返った声で、はい、と答えた。
沈黙。
牧原部長が、少し迷っているように感じた。