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My Godness~俺の女神~
第5章 ♯Detection(発覚)♯
ここでひっそりと息づいている生命をむざと摘み取ることなど、誰もできはしないのだ。この子の生命はこの子のものであり、この子の人生もまたこの子だけのものなのだ。たとえ母親といえども、新しい生命を身勝手に葬り去ることを天は許しはしないだろう。
この時、実里の中で初めて母の自覚が生まれた。
道端の紫陽花が夜陰の中でほのかに浮かび上がっている。実里は雨に濡れるのも厭わずに、いつまでも真っ青な花を見つめていた。