この作品は18歳未満閲覧禁止です
My Godness~俺の女神~
第12章 【喪失、そして再生~ここではないどこかへ~】♣海の女神♣
不思議なことに、浜ゆうの匂いなど知らないのに、この魅惑的な香りがあの純白の花から放たれるものと同じだと本能的に感じていた。
海風に混じったその花の香りは、なかなか消えなかった。潮気の強い風に混じっても、少しも損なわれることなく、むしろより際立って香る―妖しい香りである。まさに、海で生まれた女神が身に纏うにふわさしい。
悠理はいつしか惚けたようにその場に立ち尽くしていた。