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貴方に染まる
第2章 Ⅱ

「は、な…?」


蘭の問いかけにも答えられないほど、痛みを少しでも和らげようと必死だった。



「こっち見て」


蘭の方を向けば、またキスされるかもしれない。


それにこんな最低な奴の顔なんてもう見たくない。


そう思ってるのに、



「華」



名前を呼ばれると同時に顎を掴まれて、無理矢理目が合うように正面を向かされた。


きっと無様な顔をしてるんだろう。



涙でぐちゃぐちゃになった顔を見られても、なんとも思わなかった。



「ごめん、初めてだとは思わなかった」


今更謝られたって許したりしないけど。


でも、眉間に皺を寄せて少し困ったような顔をしているのを見ると、少しは反省してるんだ、と理解出来た。

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