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第2章 初めての男(梨花)

繁華街は賑やかだった。
覚束ない足取りで歩く梨花の肩を、誰かが引き寄せる。


「お嬢ちゃん、お小遣い欲しくないかい？」

酔っぱらって気が大きくなったのか、ニヤケた赤ら顔の中年男が親娘ほど年の離れた少女を誘う。


小遣いは父親から充分に貰っているので、梨花には必要ない。
だが肩にまわされた手と男の息づかいに公園の男女を思い出し、梨花は躰を火照らせた。