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嫌いな男
第16章 翔子
―――幻聴だった。
強羅は沈黙したまま、微動だにしない。



翔子はそっと腕をほどいた。

「…ごめんなさい、図々しいわよね、今さら…」

――出ていこう、幻聴が本物にならないうちに。


その時、強羅が振り向き翔子を抱き締めた。




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