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嫌いな男
第19章 アオイ
ふいに顔を上げた須藤は急に
「あ、あの、ありがとうございました!」
翔子に背を向け駆け出した。


くるりと翔子が振り向くと、いつからいたのか強羅が親の仇でも見つけたような形相で店先の靴下を両手に握りしめている。


「びっくりした…それ、買うの?」

「あ?ああ…」

強羅はグレーをワゴンに戻しカーキ色の靴下を会計してすぐに出てきた。



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