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第1章 Ｓさん

隣を向くと Ｓさんと目が合う。

視線がぶつかったのは ほんの一瞬で、
次の瞬間には わたしは
Ｓさんの腕の中にいた。

どんどん鼓動が速くなっていく。

緊張しつつ わたしもＳさんの背中に
手を回した。
「嬉しいな」そう言いながら
Ｓさんが わたしの耳にキスをする。
そして首筋にも…。

ゾクゾクするような快感に
わたしは思わず 体を離そうとした。

「気持ちいいでしょ？
じゃあ逃げちゃダメ」
Ｓさんは わたしの背中に回した腕に
力を入れながら言った。