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第21章 旅立ち

帰国当日、慌ただしくパッキングを終えた。

捨てれるものは全部捨てた。

ただ、ホワイトデーのお返しと、路永さんにもらった作り物の花束は捨てることができなかった。


フライトまでの数時間は美里さんと過ごした。

2人だけで住んだ独房のようなお家の屋上のソファで、よくふたりでお茶を飲んだ。

たわいもない話をし、また、お互いの未来を語り合い、美里さんは本当の姉のように、いつも温かく見守ってくれた。


「みーちゃん、アイス食べるー？」

「うん、食べるー♪」

一体何回このやりとりをしただろう…

最後とは思えないようなやりとりを続けた。