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生きること、思うこと
第276章 主治医

「先生、どうしたんですか?具合悪いの?」
「あぁ、ちょっとな、何だか熱中症みたいなんだよ…」
「えー?仕事休んで内科に行かないとダメだよ…」
「今日の午後の診察は休んで医者に行ってくるよ…」
「そうしてね、先生、まだ死なないでよ…」
「いや、それはわからんよ。先日、友達が2人ほど死んでね、それが精神的に堪えてるみたいなんだ…」
それを聞くととても心配になりました。
主治医はもう83歳です。
でも、83歳には見えないのです。
しかし、友人が2人も亡くなるとなると精神的ダメージは大きいと思います。
しかしながら、病院に行って医者を励まし心配する患者がどこにいるでしょうか(笑)
「先生、患者が医者を心配するなんて、そんな患者いる?」
「いや、君たちには本当に僕は支えられてるし、励まされてるよ、ありがとうな…」
かなり、弱気になっている主治医です。
確かにもうかれこれ20年以上のお付き合いになります。
今の主治医が変わったら、私はパニックを起こすかも知れません。
でも、医者も人間なのです。
万能ではありません。
私たちと同じように歳を取るのです。
「先生、今日の午後は仕事休んでね、それから、身体しんどかったら仕事休みなよね、私はいつもの薬が貰えればそれでいいから…」
「分かった、次回会う時までには元気になってるからな…」
「うん、分かった…先生、無理しないでね…」
そんな会話があり私は診察室を後にしました。
この日は、本当に主治医を励まし、心配をしに病院に行ったみたいでした(笑)
でも、先生には無理をして欲しくありません。
いつも、私たちの負のエネルギーを浴び続けているのです。
体調も悪くなるのも仕方ないと思います。
精神科の医師とは本当に大変だと感じました。
次回、会う時にはまた元気な姿を見たいな…と思う今日この頃なのです。
今日も最後まで読んで頂きありがとうございます。

