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それぞれの後編
第2章 身代わり妹〜第二章〜【変化】
「凛ちゃん、お誕生日おめでとう」

美優の母親は、そう言って凛を抱き締めた。

「ありがと」

凛は満面の笑みでそう答え、美優の母親に抱き着く。

凛の誕生日は覚えているんだな。

─────美優の誕生日は…?
覚えて…いるんだろうか……。


「睦月おじさんがばあばにお小遣いくれないの。だから、凛ちゃんにプレゼント買えなくてごめんね」


”お母さんを許したら、またお金をせびりにくるよ⁈”
美優の言葉を思い出す。


「…働きもせずに小遣いなんて貰える訳ない」

呟いた俺を、凛と美優の母親が怪訝そうに見上げた。


「……睦月さんたちの働く理由…聞いたことありますか?」

俺の言葉に、首を横に振る美優の母親。

「…孫や子供達……愛する誰かが…愛してくれる誰かが欲しいと言うものを買ってあげたいから……だそうです」

母親の表情は動かない。

働いた事のない人間に、その気持ちは理解出来ないのかもしれない。
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