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それぞれの後編
第6章 サディスティック・マリッジ〜第一章・春〜【新入社員】
愛里咲と琉の部署に配属されたのは、男女一名ずつの新入社員。
「飯村 和樹[いいむら かずき]です。宜しくお願いします!」
そう言って飯村が笑えば、女子社員から黄色い歓声が上がる。
少し長めの栗色の髪。細身で長身な身体はヒョロッとした印象を受ける。
鋭い一重瞼の目は笑うと爽やかな、なかなかのイケメンだ。
「森永 摩美[もりなが まみ]で〜す」
一方の女子新入社員は、見た目からしてかなりのギャル系。
金色に輝くウエーブヘアを高い位置でツインテールに結び、前髪は斜めに流して派手なヘアピンで止めている。
くっきり二重やバサバサと音がしそうな程の睫毛はメイクによるものなのか……。
分厚い唇のグロスは、テカテカと蛍光灯の光を反射している。
既に先輩女子社員からの睨み攻撃が始まっている。が、本人は一切気にも止めていない様子だ。
「え⁉︎ 琉先輩⁉︎」
気だるそうに先輩社員を見回していた摩美の目が急に輝いた。
「……知り合い?」
愛里咲は隣にいる琉を見上げる。
「ごめん、誰?」
琉は怪訝そうに目を細めた後、更に首を傾げる。
全くもって知らない人物のようだ。
「もぉっ! 摩美ですぅ。中学の時に付き合ってたっ」
「は⁉︎」
琉と女子社員たちの声が被る。
(うっわぁ、何か嫌な予感……)
愛里咲は声も出せず、琉と摩美を見比べていた。
「飯村 和樹[いいむら かずき]です。宜しくお願いします!」
そう言って飯村が笑えば、女子社員から黄色い歓声が上がる。
少し長めの栗色の髪。細身で長身な身体はヒョロッとした印象を受ける。
鋭い一重瞼の目は笑うと爽やかな、なかなかのイケメンだ。
「森永 摩美[もりなが まみ]で〜す」
一方の女子新入社員は、見た目からしてかなりのギャル系。
金色に輝くウエーブヘアを高い位置でツインテールに結び、前髪は斜めに流して派手なヘアピンで止めている。
くっきり二重やバサバサと音がしそうな程の睫毛はメイクによるものなのか……。
分厚い唇のグロスは、テカテカと蛍光灯の光を反射している。
既に先輩女子社員からの睨み攻撃が始まっている。が、本人は一切気にも止めていない様子だ。
「え⁉︎ 琉先輩⁉︎」
気だるそうに先輩社員を見回していた摩美の目が急に輝いた。
「……知り合い?」
愛里咲は隣にいる琉を見上げる。
「ごめん、誰?」
琉は怪訝そうに目を細めた後、更に首を傾げる。
全くもって知らない人物のようだ。
「もぉっ! 摩美ですぅ。中学の時に付き合ってたっ」
「は⁉︎」
琉と女子社員たちの声が被る。
(うっわぁ、何か嫌な予感……)
愛里咲は声も出せず、琉と摩美を見比べていた。