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婚外恋愛
第5章 逢瀬その5
「たけちゃんて、彼女いるの?」
「え?俺はいないよ…」
「たけちゃん、いい人なのにね…」
「いい人は、いい人で終わるんだよ…」
大宮はそう言うと黙り込んでしまった。
美智はちょっとマズイ事を言ってしまったかな…と、思っていた。
確かに、いい人と言われると悪い気はしないが恋愛に発展するとも思えなかった。
いい人イコール安全な人と捉えられがちだったからだ。
美智はそんな気まずい雰囲気を何とかしようと思っていた。
「たけちゃん、今度、ウチに遊びにくるといいわ…」
「え?だって旦那いるんだろ?」
「毎週出張で留守だから大丈夫よ」
「そ、そうなのか?」
大宮は少し慌ててそう言った。
そうなのだ。
美智は寂しかったのだ。
ひとりの夜を過ごすのが怖かった。
誰かと一緒にいたかったのだ。
そんな気持ちから、大宮を誘ったのだった。
二人はアドレスの交換も電話番号も交換していた。
だから、いつでも連絡は取れたのである。
大宮が話しかけてくる。