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第6章 　逢瀬その6

美智は最近、昔派遣で働いていた頃の元上司とFacebookで再会していた。
それは、本当に偶然だった。

その元上司から友達申請が来たのである。
美智の旧姓は山下であった。

今は結婚したので花柳に変わっている。
その花柳美智に友達申請をしてきたのだ。

確か、結婚した時、すでに派遣の会社は辞めていたのでこの元上司は美智の結婚した後の苗字は知らないはずであった。

美智は友達申請が来た時誰だか分からなかった。
だが、プロフの写真を見て思い出したのだ。

そう、その人は某大手電機メーカーに勤める中嶋晃だったのだ。
年齢は美智よりも12歳年上である。

もちろん結婚していて妻子持ちであった。
子供はすでに大きくなり自立して生活している様である。

中嶋は今も某大手電機メーカーで統括部長をしていた。
美智は派遣で働いていた時、この中嶋からとても可愛がられていた。

当時は毎日のように中嶋から飲みに誘われては飲みに行っていたのだ。
それくらいに仲が良かった。

そんな中嶋とFacebookのメッセンジャーでメッセージのやり取りを始めた。

「懐かしいねぇ。山下さんが結婚していたとは思わなかったよ」
「そうですか？私だって結婚しますよ」