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少し愛して
第12章 佑貴
(1)
佑貴は千佳が自分以外の男と浮気していることを知っていた。
知っていたがあえて千佳には言わなかった。
それは、離婚などして自分の経歴にキズが付くのがイヤだったし、千佳の事を好きだったからだった。
佑貴は頭が良かった。
それにエリート意識も強かった。
だが、佑貴は千佳の事を本当の意味で分かっていなかった。
千佳はセックスレスになると睡眠障害を起こし、うつ病も発症していたのだ。
佑貴は千佳が具合が悪くて床に臥せっている時でも何もしてくれなかった。
と、言うかどうしてよいのか分からなかったのかも知れなかった。
千佳が扁桃腺を月に2回も腫らし高熱を出した時、医師から扁桃腺を切った方が良いのではないか。
と、言われた時も何もそれに対して返事をくれることはなかった。
千佳はその時、とても悲しい思いをしていたのだ。
そんな、千佳の気持ちを佑貴は知らなかった。
千佳は思っていた。
結婚とは、夫婦とは、病めるときも健やかなる時もお互いを慈しみあい、愛し合う事ではないかと。
しかし、佑貴は違っていた。
千佳が健やかなる時にしか愛してくれなかったのだ。
そんな小さな事の積み重ねで二人の小さな亀裂は徐々に大きくなってゆくのであった。
佑貴は千佳が自分以外の男と浮気していることを知っていた。
知っていたがあえて千佳には言わなかった。
それは、離婚などして自分の経歴にキズが付くのがイヤだったし、千佳の事を好きだったからだった。
佑貴は頭が良かった。
それにエリート意識も強かった。
だが、佑貴は千佳の事を本当の意味で分かっていなかった。
千佳はセックスレスになると睡眠障害を起こし、うつ病も発症していたのだ。
佑貴は千佳が具合が悪くて床に臥せっている時でも何もしてくれなかった。
と、言うかどうしてよいのか分からなかったのかも知れなかった。
千佳が扁桃腺を月に2回も腫らし高熱を出した時、医師から扁桃腺を切った方が良いのではないか。
と、言われた時も何もそれに対して返事をくれることはなかった。
千佳はその時、とても悲しい思いをしていたのだ。
そんな、千佳の気持ちを佑貴は知らなかった。
千佳は思っていた。
結婚とは、夫婦とは、病めるときも健やかなる時もお互いを慈しみあい、愛し合う事ではないかと。
しかし、佑貴は違っていた。
千佳が健やかなる時にしか愛してくれなかったのだ。
そんな小さな事の積み重ねで二人の小さな亀裂は徐々に大きくなってゆくのであった。