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少し愛して
第2章  逢瀬

誰が誰とできてるとか、誰が誰と別れたとか、そんな事を良く知っていたのだ。
もしかしたら、佑貴はメールサーバーを読んでいたのかもしれないと千佳は思っていた。

千佳はこうして佑貴と一緒に飲んでいると益々好きになっていくのを感じていた。
何故、今まで気が付かなかったのだろうとさえ思っていたのだ。

二人は2~3時間飲んでいただろうか。
時刻は夜の10時を少し過ぎていた。

「今夜どうします?」

佑貴が聞いてくる。

「どうって?」
「俺の家に来て飲みません?」

「福山くんの家で?」
「うん…」

千佳は別に悪くないな…と、思っていた。

「じゃ、福山くんの家に行くわ」
「良かった」

佑貴はそう言うと笑ったのだ。
千佳は佑貴よりも4歳年上だった。

だからいつも佑貴は敬語で話していた。
付き合い始めてもそれは変わらなかったのだ。

二人は養老の滝を出て目黒通りの方に歩いて行った。
途中、目黒通商店街を通ってゆく。

パチンコ屋やミスドを通り過ぎていった。
商店街を抜けると目黒通りに出る。

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