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ひだまりのねこ
第13章 引っ越し
(1)
マルが虹の橋を渡ってから3年が経っていた。
クロちゃんは14歳になった。
人間の年齢にしたら72歳くらいである。
もう立派なおじいちゃんだった。
この年の9月の事だった。
この日は日曜日だった。
夕方、家のインターホンが鳴った。
誰だろうと思いながらも玄関のドアを開けた。
すると、見知らぬ初老の男性と女性が立っていた。
優佳は話しかける。
「どちら様ですか?」
「はい、この物件を管理しているドリーム不動産ですが」
「何の、御用でしょうか?」
「実は、ここの平屋なんですが、オーナー様がこの度分譲住宅をお建てになることになりまして、立ち退いて頂きたいとの事なんですが…」
「え?いきなり立ち退きですか?」
「いえ、12月までに立ち退いて頂ければ大丈夫ですので」
「12月まで?早いですね?」
「はい、引っ越し先は私の方で何件かご用意させて頂きますのでご安心ください」
そう言うと初老の女性が何件かの物件の間取り図とタオルを置いて帰っていった。
優佳は余りの突然の事で頭が真っ白になってしまった。
とにかく、冷静にならなくてはいけないと思った。
マルが虹の橋を渡ってから3年が経っていた。
クロちゃんは14歳になった。
人間の年齢にしたら72歳くらいである。
もう立派なおじいちゃんだった。
この年の9月の事だった。
この日は日曜日だった。
夕方、家のインターホンが鳴った。
誰だろうと思いながらも玄関のドアを開けた。
すると、見知らぬ初老の男性と女性が立っていた。
優佳は話しかける。
「どちら様ですか?」
「はい、この物件を管理しているドリーム不動産ですが」
「何の、御用でしょうか?」
「実は、ここの平屋なんですが、オーナー様がこの度分譲住宅をお建てになることになりまして、立ち退いて頂きたいとの事なんですが…」
「え?いきなり立ち退きですか?」
「いえ、12月までに立ち退いて頂ければ大丈夫ですので」
「12月まで?早いですね?」
「はい、引っ越し先は私の方で何件かご用意させて頂きますのでご安心ください」
そう言うと初老の女性が何件かの物件の間取り図とタオルを置いて帰っていった。
優佳は余りの突然の事で頭が真っ白になってしまった。
とにかく、冷静にならなくてはいけないと思った。