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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第10章 木葉の秘密


 泣いても叫んでも、きっと許してはくれない。その考えが正しかったことを証明するように、陸矢はまた自分本位に言葉を連ねるのだった。

「それでさ、木葉ちゃん。今日、こうして来てもらったのは、キミに重要な役割を果たしてもらいたいからなんだ」

 役割……?

「さっき、僕の妹である朱海と涼一という男の話を聞かせただろう。結果として、僕は大事な妹を傷物にされた。仲間にしてやったのに、裏切られたんだ。僕は当然、涼一を許せない。はっきり言って、殺したいと思っている」

「!」

「でも、今もそうだったように、冷静さを失ってはいけないと思うんだ。それで相手の気持ちも、少しはわかろうと思ったわけさ。だからさ、木葉ちゃん――」

 その時、陸矢の手が無造作に伸びて、私の制服の胸元を掴んだ。そして――

「今から僕は木葉ちゃんに、涼一が妹にしたのと同じことをするね。そうすれば、妹がどんな気持ちだったのか、キミは知ることができるはず」

 いっ……いっ……。

「ハハハ、その身をもって感じてくれ! そして僕に教えてくれないか! 妹の気持ちと――涼一(アイツ)の罪を!」

「いやあああああ!」

 制服を胸元から裂かれ、私は成す術もなく、ベッドの上に押し倒されていった。

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